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自由という名の檻
忍は道具。それは選ぶことの出来ない生き方。
今よりずっと幼い頃の主人がうらやましそうに、忍とはどうすればなれるものだ?と、訊ねた時に、佐助はそんなことを答えたような気がする。
実際、忍は職業じゃない。かといって、侍や農民といったようなものとも少し違う。忍とは、生き方だ。
主君に仕え、けれど里という組織にも属し、金で雇われるといえば傭兵のそれと似ているが、それでも違うのは、自分で選べないこと。
侍が侍であるように、農民が農民であるように、生まれである程度決まるものもあるだろう。けれどそれだけじゃない。それは運命。という言葉に似ているかもしれない。
侍は生きざま。主人やそれに連なる猛者達を見ているとそう思う。けれど自分達忍は・・・
生きるために刃を抜くのではなく、主君を生かすに刃を取る。生きるために戦うのではなく、死ぬために戦う。そういう生き物。
「俺達って、恵まれちゃってるよね〜」
眼下に見える戦場の様子からは目を離さず、傍にある気配に話し掛ける。
「どうした、頭に虫でも湧いたか」
すらりとした肢体が、音も立てずに傍に降りた。そのすぐ傍にもうひとつ。静かな気配も並ぶ。
「今更だけどさ。名前を呼んでくれる主人って、実はあんまりいないなぁって」
本当に今更だけど。あまりにも普段煩いほどに呼ばれているから、こうして他の国の忍達を見て思い出す。
道具として使われる方がずっと楽だ。国が、家が滅べばそこを去る。愛着を持っていたとしても、執着はしない。道具であることをいつだって自覚して・・・
「自由なんて、貰ったって今更、どうしたらいいのか判りゃしないのに」
ああしろこうしろと命令されることはあっても、どうしたい?なんて聞かれたことなんてなかったから。
そのクセあの主人は、こっちが裏切るかもしれないなんて露ほども思っていない。
全ては自分が決められる。それが生き方になるのか、生きざまになるのか、己で選んで決めろと言う。
なんて困った人達だろうね。
なんて、一人ごちれば、何を言ってるんだ貴様は。と、気味悪がられた。
「どう生きたい。とか、選んだことある?どう死ぬか。じゃなくてさ」
かすがが言葉に詰まる。そうだ。彼女はそうだったから。敬愛する主君のために命を投げ出して、いつだってそうやっていたから。
それは同じ意味のようで、全く違う。
無意識に、生き方ではなく死に方を選んでしまう。そんな因果なモノなのだと、主人達を見ているとそう思う。
生きることを願えばいいという。己で選べばいい。その自由はお前のものだ。
そんなこと言われても、今更この体に染み付いたものは抜けはしない。
「自由・・・ねぇ」
それは意味を考えれば考えるほどに、深く重いもの。体ひとつで生きてきた忍にとって、これほどに重いものはないんじゃないだろうか。そう思える。
「軽い頭で考えたところで、解決などするものか」
冷たい言葉にようやく振り向けば、怒ったようにそっぽを向くかすがと、黙ってじっとこちらを見ている小太郎の姿。
かすがの言葉は辛辣で、でもそれは恰好であると、すぐに判ってしまう。
「ひどいね。それ」
ほんの少し、胸のつかえが溶けたような気がした。
なんかこう・・・言いたかったことが上手く表現出来なかった気が(汗)
忍は侍や農民、町民とかと全く違うモノなんじゃないかなぁ。と思ったら、こんな話になりまシタ。
邪険にしつつも、結構佐助の心配してくれたりしちゃうお人好しなかすがとか、二人を黙って優しく見ている小太郎とかが理想です。
今よりずっと幼い頃の主人がうらやましそうに、忍とはどうすればなれるものだ?と、訊ねた時に、佐助はそんなことを答えたような気がする。
実際、忍は職業じゃない。かといって、侍や農民といったようなものとも少し違う。忍とは、生き方だ。
主君に仕え、けれど里という組織にも属し、金で雇われるといえば傭兵のそれと似ているが、それでも違うのは、自分で選べないこと。
侍が侍であるように、農民が農民であるように、生まれである程度決まるものもあるだろう。けれどそれだけじゃない。それは運命。という言葉に似ているかもしれない。
侍は生きざま。主人やそれに連なる猛者達を見ているとそう思う。けれど自分達忍は・・・
生きるために刃を抜くのではなく、主君を生かすに刃を取る。生きるために戦うのではなく、死ぬために戦う。そういう生き物。
「俺達って、恵まれちゃってるよね〜」
眼下に見える戦場の様子からは目を離さず、傍にある気配に話し掛ける。
「どうした、頭に虫でも湧いたか」
すらりとした肢体が、音も立てずに傍に降りた。そのすぐ傍にもうひとつ。静かな気配も並ぶ。
「今更だけどさ。名前を呼んでくれる主人って、実はあんまりいないなぁって」
本当に今更だけど。あまりにも普段煩いほどに呼ばれているから、こうして他の国の忍達を見て思い出す。
道具として使われる方がずっと楽だ。国が、家が滅べばそこを去る。愛着を持っていたとしても、執着はしない。道具であることをいつだって自覚して・・・
「自由なんて、貰ったって今更、どうしたらいいのか判りゃしないのに」
ああしろこうしろと命令されることはあっても、どうしたい?なんて聞かれたことなんてなかったから。
そのクセあの主人は、こっちが裏切るかもしれないなんて露ほども思っていない。
全ては自分が決められる。それが生き方になるのか、生きざまになるのか、己で選んで決めろと言う。
なんて困った人達だろうね。
なんて、一人ごちれば、何を言ってるんだ貴様は。と、気味悪がられた。
「どう生きたい。とか、選んだことある?どう死ぬか。じゃなくてさ」
かすがが言葉に詰まる。そうだ。彼女はそうだったから。敬愛する主君のために命を投げ出して、いつだってそうやっていたから。
それは同じ意味のようで、全く違う。
無意識に、生き方ではなく死に方を選んでしまう。そんな因果なモノなのだと、主人達を見ているとそう思う。
生きることを願えばいいという。己で選べばいい。その自由はお前のものだ。
そんなこと言われても、今更この体に染み付いたものは抜けはしない。
「自由・・・ねぇ」
それは意味を考えれば考えるほどに、深く重いもの。体ひとつで生きてきた忍にとって、これほどに重いものはないんじゃないだろうか。そう思える。
「軽い頭で考えたところで、解決などするものか」
冷たい言葉にようやく振り向けば、怒ったようにそっぽを向くかすがと、黙ってじっとこちらを見ている小太郎の姿。
かすがの言葉は辛辣で、でもそれは恰好であると、すぐに判ってしまう。
「ひどいね。それ」
ほんの少し、胸のつかえが溶けたような気がした。
なんかこう・・・言いたかったことが上手く表現出来なかった気が(汗)
忍は侍や農民、町民とかと全く違うモノなんじゃないかなぁ。と思ったら、こんな話になりまシタ。
邪険にしつつも、結構佐助の心配してくれたりしちゃうお人好しなかすがとか、二人を黙って優しく見ている小太郎とかが理想です。
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