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ウチに来ないか?
「お前、気に入った。どうだ?オレと一緒に来ないか?」
豪快に笑う鬼を見上げ、くりん。とした黒い瞳がぱちくりと瞬いた。
「よぉ、こんな北国くんだりまで何の用だよ、長曾我部元親」
「何かトゲのある言い方じゃねぇか。奥州の竜」
お互いハッと軽く鼻で笑い、それから、よう。おう。と、まるで十年来の悪友のように挨拶を交わす。上がれ。とも、上がるぞ。とも言わずに元親はずかずかと上がり込み、政宗は人を呼んで茶の用意を。と声をかけた。
「んで、何があった」
「あん?」
「しらばっくれてんじゃねぇよ。西方の鬼が用もなく、わざわざこんな遠くまで足を運ぶなんてな」
すでに彼がここに来る前に最北端に足を運んでいたことも、政宗は知っている。
「抜け目ねぇなぁ」
そういう元親だって、人のことは言えない。たとえば、お互い腹を割って話せる仲になったとしても、諸国の動きを知っておくための情報は必要だ。
「まぁ知ってんなら話は早ェ。実はな、おチビちゃんにフラれた」
それはそれは、と、政宗が笑う。いつもはシニカルな、人を食ったような笑いを浮かべるような表情を見せることは多いが、本当に「笑って」いるのは珍しい。
「驚かねぇんだな」
「大体、予想はつくからな」
「オレと一緒に来ないか?」
元親の腰より少し上くらいまでしか身長のない少女は、まっすぐに元親の目を見つめていた。
「おらが?兄ちゃんと?」
ああ。西の海はいいぞ。ここもいいが、それとはまた違った顔がある。冬だってそんなに厳しくないし、春も早くて、夏はまぁ、暑いが悪くない。
将来おそらく美人になるであろう少女は、目を輝かせて元親の国の話に耳を傾ける。素直なその様子は可愛くて、自然と口元に笑いが浮かんでいた。
「だから、オレのトコに来いよ。お前なら他の男達にも負けないだろうし。珍しいモンもたくさん、見せてやるぜ」
深い意味は・・・まぁ全くない。という訳でもなかったが、ただ純粋に、国の話に目を輝かせてくれる少女に見せてやりたいと思ったのだ。
神の声を聞いたという少女。奇跡が欲しいのではないが、彼女自身の力と思いに心を動かされたというのもある。けれど・・・
「ごめんな」
あったかい国、きれいな海。そういうのは一度は見てみたいけど、やっぱおらは、ここがいい。
そう、きっぱりと少女は言った。
確かに冬は厳しくて、春も夏も短くて、楽な暮らしじゃねぇけんども、おらはここが好きなんだ。この地を想っていたいんだ。
「兄ちゃんの国のモンになったら、そこのことを想わなきゃなんねぇべ?それが嫌ってんじゃねぇが、やっぱりおらは、ここのことを想っていたい」
まっすぐな言葉だ。欲張ることは出来ない。ふたつを同じように想うことが難しい。だから、一番大切なものを選ぶ。
それは確かに真理で、けれど誰もが忘れがちなこと。
「それに、田と海と、両方の神さんに祈るのは大変だ。って、言われたろ?」
したり顔で言う政宗に、何で知ってんだ?と驚いて訊ねれば、独眼竜は端正な顔を苦笑でかすかに歪めた。
「同じこと、言われたんだよ。俺も」
ああ、そういえば御執心だったな。なんて、珍しく年下らしい顔を見て、元親は納得する。
そうか、そういう顔も出来んじゃねぇか。嗚呼、今日はいい日だ。いい日の祝いはやっぱ酒だろう。
なんて、勝手に盛り上がり、持参した包みを思い出したように開いた。
「お、そりゃあいい酒じゃねぇか」
じゃあこっちも用意しなきゃな。と言うと、侍女に声をかけて、それから自分も立ち上がる。
「今日は特別に、腕振るってやるよ」
歳の割に戦や教養だけでなく、そういうところも達者らしい。おう任せた。と声をかけて、元親はそれまで少し休ませてもらうぜ。と、畳にごろりと寝そべった。
あのおチビちゃんにフラれた者同士、慰め会って笑って呑んで。嗚呼、それはとても楽しそうだ。と、誰もいない部屋の中、鬼と呼ばれる男は、威厳もへったくれもないような笑顔を浮かべた。
いつきちゃんは度胸もあって仲間思いだから、アニキは気に入るんじゃないか。というところからきた妄想で(笑)スカウトはまんまと失敗しました。ちなみに筆頭も経験済。
なんか題名と最初の見える一文のみ見ると、内容を誤解されそうな感じですね(笑)今更ながら。
まぁウチはそういうの結構ダメな方なんで、多少なりともそういう要素があるとしたらものっそい注意書きするとは思うんですが。まぁほぼありえないんですけども・・・
ウチの筆頭がえーご少ないのはあれです。私が苦手なんです。出来ないんです(汗)筆頭、本当にゴメン・・・
豪快に笑う鬼を見上げ、くりん。とした黒い瞳がぱちくりと瞬いた。
「よぉ、こんな北国くんだりまで何の用だよ、長曾我部元親」
「何かトゲのある言い方じゃねぇか。奥州の竜」
お互いハッと軽く鼻で笑い、それから、よう。おう。と、まるで十年来の悪友のように挨拶を交わす。上がれ。とも、上がるぞ。とも言わずに元親はずかずかと上がり込み、政宗は人を呼んで茶の用意を。と声をかけた。
「んで、何があった」
「あん?」
「しらばっくれてんじゃねぇよ。西方の鬼が用もなく、わざわざこんな遠くまで足を運ぶなんてな」
すでに彼がここに来る前に最北端に足を運んでいたことも、政宗は知っている。
「抜け目ねぇなぁ」
そういう元親だって、人のことは言えない。たとえば、お互い腹を割って話せる仲になったとしても、諸国の動きを知っておくための情報は必要だ。
「まぁ知ってんなら話は早ェ。実はな、おチビちゃんにフラれた」
それはそれは、と、政宗が笑う。いつもはシニカルな、人を食ったような笑いを浮かべるような表情を見せることは多いが、本当に「笑って」いるのは珍しい。
「驚かねぇんだな」
「大体、予想はつくからな」
「オレと一緒に来ないか?」
元親の腰より少し上くらいまでしか身長のない少女は、まっすぐに元親の目を見つめていた。
「おらが?兄ちゃんと?」
ああ。西の海はいいぞ。ここもいいが、それとはまた違った顔がある。冬だってそんなに厳しくないし、春も早くて、夏はまぁ、暑いが悪くない。
将来おそらく美人になるであろう少女は、目を輝かせて元親の国の話に耳を傾ける。素直なその様子は可愛くて、自然と口元に笑いが浮かんでいた。
「だから、オレのトコに来いよ。お前なら他の男達にも負けないだろうし。珍しいモンもたくさん、見せてやるぜ」
深い意味は・・・まぁ全くない。という訳でもなかったが、ただ純粋に、国の話に目を輝かせてくれる少女に見せてやりたいと思ったのだ。
神の声を聞いたという少女。奇跡が欲しいのではないが、彼女自身の力と思いに心を動かされたというのもある。けれど・・・
「ごめんな」
あったかい国、きれいな海。そういうのは一度は見てみたいけど、やっぱおらは、ここがいい。
そう、きっぱりと少女は言った。
確かに冬は厳しくて、春も夏も短くて、楽な暮らしじゃねぇけんども、おらはここが好きなんだ。この地を想っていたいんだ。
「兄ちゃんの国のモンになったら、そこのことを想わなきゃなんねぇべ?それが嫌ってんじゃねぇが、やっぱりおらは、ここのことを想っていたい」
まっすぐな言葉だ。欲張ることは出来ない。ふたつを同じように想うことが難しい。だから、一番大切なものを選ぶ。
それは確かに真理で、けれど誰もが忘れがちなこと。
「それに、田と海と、両方の神さんに祈るのは大変だ。って、言われたろ?」
したり顔で言う政宗に、何で知ってんだ?と驚いて訊ねれば、独眼竜は端正な顔を苦笑でかすかに歪めた。
「同じこと、言われたんだよ。俺も」
ああ、そういえば御執心だったな。なんて、珍しく年下らしい顔を見て、元親は納得する。
そうか、そういう顔も出来んじゃねぇか。嗚呼、今日はいい日だ。いい日の祝いはやっぱ酒だろう。
なんて、勝手に盛り上がり、持参した包みを思い出したように開いた。
「お、そりゃあいい酒じゃねぇか」
じゃあこっちも用意しなきゃな。と言うと、侍女に声をかけて、それから自分も立ち上がる。
「今日は特別に、腕振るってやるよ」
歳の割に戦や教養だけでなく、そういうところも達者らしい。おう任せた。と声をかけて、元親はそれまで少し休ませてもらうぜ。と、畳にごろりと寝そべった。
あのおチビちゃんにフラれた者同士、慰め会って笑って呑んで。嗚呼、それはとても楽しそうだ。と、誰もいない部屋の中、鬼と呼ばれる男は、威厳もへったくれもないような笑顔を浮かべた。
いつきちゃんは度胸もあって仲間思いだから、アニキは気に入るんじゃないか。というところからきた妄想で(笑)スカウトはまんまと失敗しました。ちなみに筆頭も経験済。
なんか題名と最初の見える一文のみ見ると、内容を誤解されそうな感じですね(笑)今更ながら。
まぁウチはそういうの結構ダメな方なんで、多少なりともそういう要素があるとしたらものっそい注意書きするとは思うんですが。まぁほぼありえないんですけども・・・
ウチの筆頭がえーご少ないのはあれです。私が苦手なんです。出来ないんです(汗)筆頭、本当にゴメン・・・
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天野宇宙にコメントする
東西兄貴・・・!
宇宙様こんばんは、東篠永です。再びコメント投稿失礼致します。
まず掲題の「元親と政宗」の文字に、東西兄貴コンビ好きの血が大っ変滾りました・・・!(笑) アニキがいつきちゃんを気に入りそう、というのにはすごく納得です。思えば片倉さんと邂逅した時にもアニキは「あいつ(筆頭)と気が合うならオレとも気が合うと思うぜ」なんて具合な事も仰っていましたし、東西兄貴は感情の種類こそ違っても好く人間自体は似ていたりするかも、と。いつきちゃんは二人の兄貴に自分の知らない世界のお話を沢山聞かせてもらって、キラキラ目を輝かせているといいですねv そういう邪気の無い所が好ましいんだろうなぁ、筆頭もアニキも・・・。その一方で芯が通ってて真っ直ぐで度胸も据わってて、そして何より、優しい。こんな人間性、筆頭やアニキでなくてもうっかり惚れてしまいそうです。
私もアニキはやっぱり筆頭より少し年上なイメージです。普段はそんなに垣間見えないでしょうけれども、今回いつきちゃん絡みで筆頭が年下らしい顔を見せてくれたのは非常にオイシイ展開で御座います(笑) しかもそれをからかう事もなく「今日はいい日だ」なんて言ってくれるアニキが本当にお兄さんっぽくてイイ男。でもやっぱり酒(笑) アニキが酒壷を土産に持参している姿はやっぱりとても絵になりますv
今回も大変楽しませて頂きましたv
アニキ月間、鬱陶しいほどに叫んでおりましたので(汗)気にかけて頂けただけでも本当に嬉しいです。伊達いつは勿論、大好きな宇宙様のアニキや他のBASARAの面々の活躍もお待ちしておりますvv
まず掲題の「元親と政宗」の文字に、東西兄貴コンビ好きの血が大っ変滾りました・・・!(笑) アニキがいつきちゃんを気に入りそう、というのにはすごく納得です。思えば片倉さんと邂逅した時にもアニキは「あいつ(筆頭)と気が合うならオレとも気が合うと思うぜ」なんて具合な事も仰っていましたし、東西兄貴は感情の種類こそ違っても好く人間自体は似ていたりするかも、と。いつきちゃんは二人の兄貴に自分の知らない世界のお話を沢山聞かせてもらって、キラキラ目を輝かせているといいですねv そういう邪気の無い所が好ましいんだろうなぁ、筆頭もアニキも・・・。その一方で芯が通ってて真っ直ぐで度胸も据わってて、そして何より、優しい。こんな人間性、筆頭やアニキでなくてもうっかり惚れてしまいそうです。
私もアニキはやっぱり筆頭より少し年上なイメージです。普段はそんなに垣間見えないでしょうけれども、今回いつきちゃん絡みで筆頭が年下らしい顔を見せてくれたのは非常にオイシイ展開で御座います(笑) しかもそれをからかう事もなく「今日はいい日だ」なんて言ってくれるアニキが本当にお兄さんっぽくてイイ男。でもやっぱり酒(笑) アニキが酒壷を土産に持参している姿はやっぱりとても絵になりますv
今回も大変楽しませて頂きましたv
アニキ月間、鬱陶しいほどに叫んでおりましたので(汗)気にかけて頂けただけでも本当に嬉しいです。伊達いつは勿論、大好きな宇宙様のアニキや他のBASARAの面々の活躍もお待ちしておりますvv
筆舌に尽くしがたく!
天野さまの書かれる東西兄貴が肩並べて語らってらっしゃる時点で悶え気味で、タイプミス連発の有栖です、こんばんは。
筆頭とアニキはいろんなジャンルでの好みが近そうですよね。そりゃあ筆頭が気に入ったいつき嬢も、アニキが気に入らない訳がないと勝手に思っていたので、大変楽しく拝読致しました。
軽くふられんぼな仲良しアニキーズにエールを送りたいです♪ 特に筆頭には、懲りずに口説き倒していただきたく候。
そしてアニキにあれだけ口説かれてもおちないいつきちゃんは本当に自分の郷里が好きなんだなぁ、とひしひし伝わって参りまして、同郷のものとしてとても嬉しいです。なんていいこなんだ……!!
それでは、興奮のあまり鼻血を出す前に退散させていただくことに致します。
かっこかわいいアニキーズといつきちゃんをありがとうございました。では!
筆頭とアニキはいろんなジャンルでの好みが近そうですよね。そりゃあ筆頭が気に入ったいつき嬢も、アニキが気に入らない訳がないと勝手に思っていたので、大変楽しく拝読致しました。
軽くふられんぼな仲良しアニキーズにエールを送りたいです♪ 特に筆頭には、懲りずに口説き倒していただきたく候。
そしてアニキにあれだけ口説かれてもおちないいつきちゃんは本当に自分の郷里が好きなんだなぁ、とひしひし伝わって参りまして、同郷のものとしてとても嬉しいです。なんていいこなんだ……!!
それでは、興奮のあまり鼻血を出す前に退散させていただくことに致します。
かっこかわいいアニキーズといつきちゃんをありがとうございました。では!