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徒然と小咄など。現在BASARA2メイン。 かなりネタバレや捏造もございます。御注意! あくまでも個人のファンサイトです。 企業様とは関係ありません。
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※焔野双珠。6月6日のあの出来事を回想して
色々捏造設定有り。



 思わず前に踏み出そうとしたその時、ゆかりが片腕にしがみついてきた。ダメだと言うように首を横に振るゆかりから、正面で腹をかかえてうずくまる順平に視線を戻せば、いいから出るな。というように、小さく後ろに回した手が合図している。しがみつくゆかりの手が痛いほど強く、袖と腕を掴んでいて、その痛みが唯一、思考を冷静にしてくれた。
「おい」
 その時だ。背後から低い声が聞こえたのは。

 ガツンと一撃。彼のかました頭突き一発で勝負はついた。群れなければ強くなれない。群れても簡単に力に屈服する者達の背中を見送って振り向いた男は、この季節には不似合いな暑いコート姿で汗ひとつかいていなかった。
「おい、お前」
 忠告を受けて、そこを立ち去ろうとした時のこと。順平、ゆかりに続いて歩き出した双珠に、彼は声をかけた。
「ちょっと待て」
 そう言って腕を掴んだ手は大きくて。直前までコートのポケットに突っ込まれていた筈なのに、布越しに何故か冷気のようなものを感じた気がして、思わず振り払いかけた。
「馬鹿なことは考えんじゃねぇぞ」
 努めて冷静でいたつもりだった。元々表情に乏しいと言われることも多いから、こういう時、感情を表に出すことは滅多にない自信があったのに…
「真っ先に飛び出そうとしてただろう。それに、ずっと噛みつきそうな目ェしてたぞ。いいか。ああいう連中は案外厄介なんだ。関わり合いになるな」
「…仲間を傷つけた」
 ゆかりにひどい言葉を浴びせ、順平を殴った。二人に止められなければ、とっくに飛びかかってのしてやるところだった。
「どれだけ自信があるのかは知らないが、無茶していいことなんてねぇぞ」
 今度こそ、掴む手を振り払って、双珠は心配そうに二人の様子を見ているゆかりと順平の元へと歩いて行った。



「いや、あん時はホント、荒垣サンが来てくれてよかったっすよ」
「私達だけじゃ、止められなかったかもしれないからね」
 数日前から荒垣が寮に戻って来て、何がきっかけだったのか、あの時の思い出話になり、ロビーのソファーでくつろぎながら、順平とゆかりは揃って苦笑した。
「なんだ、そんなにあいつは強いのか?」
 肝心の話題の主は今、ここにはいない。買い物ついでにコロマルの散歩に出ているのだ。
「荒垣サンもすぐ判りますよ。あいつ、シャドウも人間も、いざとなった手加減ナシっすからね」
「しかもそういう知識が結構半端ないんですよ。ケンカ慣れしてるっていうか」
「あ~あれじゃね?兄ちゃんが五人いるとか何とか言ってたし」
 ね~。なんて、二人は今となっては懐かしい思い出。というように和やかに歓談しているが、荒垣は正直笑えなかった。
 あの時、ほとんど表情も変えずにチンピラ達を見ていた双珠の目は、怖いほどに強い光を宿していた。それを人に悟らせないほどに抑え込み、しかしそれが、爆発したらどうなるのか。
「そりゃあ…怒らせないようにしないとな」
 それは、荒垣がタルタロス探索に参加するようになる、ほんの一時間ほど前のこと。





 双珠は二週目主人公だったのでステータス、レベルともに引き継ぎでほぼMAXだったのでした。チンピラなんて目じゃないゼ!ということで(苦笑)

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