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おろち(魏)
「・・・なので、今回の戦は本陣を敷かずに行うことになる為、各々準備を怠らないよう。くれぐれも!先走って軽率な行動に出ないでいただきたい。聞いてますか、おねね様」
最後の部分をやや語調を強めて言えば、言われた当の本人はにこにこと満面の笑顔で微笑んでいる。
「うん、聞いてるよ。三成」
それを見て、溜息をひとつ。
「いいですか。本陣を敷かぬとはいえ、大将が敗れては負けなんですよ」
この軍の大将は指揮を取る曹丕か三成のどちらかとなる。
正確には曹操の遺した曹魏の軍であり、三成は妲己にそれを見張るよう命じられているだけだから、あくまでも客人。共に戦場に立ち、更には本陣を立てぬのならば、大将は曹丕である。
しかし今回の作戦に曹丕は表立って参加はせず、三成も後衛に回ってしまう。そうなれば誰を代理に立てるのか。その話になった時に三成が提案したのが、彼の主である豊臣秀吉の妻、ねねを大将に立てるということであった。
ねねはこちらの世界に着いてからは独自に忍者軍団を編成し、オロチに対抗するように行動していたのだが、息子のように思ってきた三成がオロチの元で采配を振るっているのを知り、「悪いコトしないように見張っててあげるからね!」と、いつものようにこちらの意見は丸無視で決めてしまい、現在に至る。
実際の母親でないのは勿論で、しかしどうにも彼女の中では成人した今の三成も、秀吉に引き取られた頃の、まだ佐吉と呼ばれていた彼もあまり大差ないらしく、変わらず世話をやきたがる。なまじ子供の頃を知っているだけにタチが悪い。
やれ、雨に濡れたらすぐ髪を拭きなさい。そうやって風邪ひいてたでしょう。意地張ってないで、また風邪ひいたらどうするの。好き嫌いは言わないの。丈夫な大人になれないでしょう。おねね様、俺はもう立派に成人です。あらじゃあ尚のこと、好き嫌いなんてしてられないじゃない。
昔から口は達者な三成だが、どうにもねねにはまともに勝てた試しがない。彼の友にしてもそうだが、相手に悪気が全くないのはひどくやりにくい。多少の嫌味や皮肉も素直に受け止めて流してしまうものだから、言ってる方が馬鹿らしくなってくる。
思惑あってオロチ軍にいる以上、それが成されるまで厄介事は出来る限り避けたいのが本当のところで、しかしねねにそんなことを言おうものなら、やっぱり三成はいい子だよ。なんて言って余計な手出しをされるに決まっている。。
それは善意の押し付けです。とは、さすがの三成も面と向かっては言えない(似たような皮肉ならちくりちくりと言うが、効いた試しもない)それならせめて、出来る範囲で防護壁を張るしかない。 そう考えた末の案だ。それもどこまで通用するか怪しいものだが・・・
「とにかく、無理、無茶は控えてください。同行する者達のことも頭に入れて。何より、おねね様に何かあれば、秀吉様に申し訳が立ちません」
判ったよ。三成。まったく心配性なんだから。と、少女のようににこにこ笑うその様子にため息をひとつ。
お願いします。と、最後に呟くように言った三成の背中には、疲労と諦めがありありと見て取れたという。
「物は言いよう、だな」
「何が言いたい」
いや。と、相変わらず皮肉を含みながらも、珍しく口元を緩めた曹丕に噛み付かんばかりの視線を向けるが、いつものような鋭さは失われている。
「どこの世界でも、親というのは手強いものだと思ってな」
そんなことが言いたいのではないのだろう。というのはよく判ったが、ここでムキになって墓穴を掘るほどには愚かではないつもりだ。
何とでも言え。そんな気分で睨みつけるだけに留める。
邪魔をされる訳にはいかないのだ。そう、ただそれだけなのだ。そう己に言い聞かせていなければ落ち着かないことに気付いているのかいないのか・・・
それは、彼のみぞ知る。というところである。
オロチでは魏シナリオでねねが仲間になるんですよね。三成とねねが一緒ってのが嬉しくて、ついつい魏シナリオばかりやってしまうのです。
最後の部分をやや語調を強めて言えば、言われた当の本人はにこにこと満面の笑顔で微笑んでいる。
「うん、聞いてるよ。三成」
それを見て、溜息をひとつ。
「いいですか。本陣を敷かぬとはいえ、大将が敗れては負けなんですよ」
この軍の大将は指揮を取る曹丕か三成のどちらかとなる。
正確には曹操の遺した曹魏の軍であり、三成は妲己にそれを見張るよう命じられているだけだから、あくまでも客人。共に戦場に立ち、更には本陣を立てぬのならば、大将は曹丕である。
しかし今回の作戦に曹丕は表立って参加はせず、三成も後衛に回ってしまう。そうなれば誰を代理に立てるのか。その話になった時に三成が提案したのが、彼の主である豊臣秀吉の妻、ねねを大将に立てるということであった。
ねねはこちらの世界に着いてからは独自に忍者軍団を編成し、オロチに対抗するように行動していたのだが、息子のように思ってきた三成がオロチの元で采配を振るっているのを知り、「悪いコトしないように見張っててあげるからね!」と、いつものようにこちらの意見は丸無視で決めてしまい、現在に至る。
実際の母親でないのは勿論で、しかしどうにも彼女の中では成人した今の三成も、秀吉に引き取られた頃の、まだ佐吉と呼ばれていた彼もあまり大差ないらしく、変わらず世話をやきたがる。なまじ子供の頃を知っているだけにタチが悪い。
やれ、雨に濡れたらすぐ髪を拭きなさい。そうやって風邪ひいてたでしょう。意地張ってないで、また風邪ひいたらどうするの。好き嫌いは言わないの。丈夫な大人になれないでしょう。おねね様、俺はもう立派に成人です。あらじゃあ尚のこと、好き嫌いなんてしてられないじゃない。
昔から口は達者な三成だが、どうにもねねにはまともに勝てた試しがない。彼の友にしてもそうだが、相手に悪気が全くないのはひどくやりにくい。多少の嫌味や皮肉も素直に受け止めて流してしまうものだから、言ってる方が馬鹿らしくなってくる。
思惑あってオロチ軍にいる以上、それが成されるまで厄介事は出来る限り避けたいのが本当のところで、しかしねねにそんなことを言おうものなら、やっぱり三成はいい子だよ。なんて言って余計な手出しをされるに決まっている。。
それは善意の押し付けです。とは、さすがの三成も面と向かっては言えない(似たような皮肉ならちくりちくりと言うが、効いた試しもない)それならせめて、出来る範囲で防護壁を張るしかない。 そう考えた末の案だ。それもどこまで通用するか怪しいものだが・・・
「とにかく、無理、無茶は控えてください。同行する者達のことも頭に入れて。何より、おねね様に何かあれば、秀吉様に申し訳が立ちません」
判ったよ。三成。まったく心配性なんだから。と、少女のようににこにこ笑うその様子にため息をひとつ。
お願いします。と、最後に呟くように言った三成の背中には、疲労と諦めがありありと見て取れたという。
「物は言いよう、だな」
「何が言いたい」
いや。と、相変わらず皮肉を含みながらも、珍しく口元を緩めた曹丕に噛み付かんばかりの視線を向けるが、いつものような鋭さは失われている。
「どこの世界でも、親というのは手強いものだと思ってな」
そんなことが言いたいのではないのだろう。というのはよく判ったが、ここでムキになって墓穴を掘るほどには愚かではないつもりだ。
何とでも言え。そんな気分で睨みつけるだけに留める。
邪魔をされる訳にはいかないのだ。そう、ただそれだけなのだ。そう己に言い聞かせていなければ落ち着かないことに気付いているのかいないのか・・・
それは、彼のみぞ知る。というところである。
オロチでは魏シナリオでねねが仲間になるんですよね。三成とねねが一緒ってのが嬉しくて、ついつい魏シナリオばかりやってしまうのです。
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