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あめあがり
「まさむね」
子供特有の少し高い声。
「まぁさぁむね」
わずかに舌足らずに、からかうように呼ぶ声は甘い。
濡れて冷たい夏草の上。寝転がった背中は冷たくて、きっと後で気持ち悪いだろうと判っているけれど。
「こんなトコで寝てると、まぁたこじゅろうさに怒られっぞ」
オーケーオーケー。生返事をしてひらひらと手を振って。土と緑の匂いを胸いっぱいに吸い込んで。
「おら、怒られんのは勘弁だぞ」
近づいて来る気配に息をひそめて。そうして屈み込もうとした少女の腕を取ってぐいと引く。
「ひゃあっ」
がっちりと腕の中に抱え込んで、笑う。
これでお前も同罪だ。と、いつきの知らぬ異国の言葉でつぶやいて。呆れたように、大きな瞳が己を映し、仕方ねぇなぁ。と、子供をあやすみたいに諦めた声に口元が緩んだ。
「おてんとさんも、上機嫌だ」
きらきらと、夏草を彩る雫がきらめく。
短い夏が、やって来る。
なんかもう思いついたシーンのみで・・・北国は夏が短いと聞きますが、その分、たくさんその恵みを味わって欲しいな〜とか。
自宅の方が毎年最高気温40度とかいくようなトコだから(しかも盆地なんで湿度も高い。京都よりずっと暑いとは妹の談)こう・・・朝起きたら汗だくになってて力尽きてる夏しか知らぬ身としては、暑くともそれなりに快適な夏。というのが想像しにくいです(苦笑)
日陰に入っても一向に涼しくならない夏なんて・・・!
蛇足なのですが、普段の作品ではいつきの小十郎に対する呼び方を「小十郎さ」と書いてますが、どの作品でも「こじゅろうさ」というのが読みなんです。どうしても平仮名ばかりだと読み辛いかな?とか思ったりもしたので、こちらでは名前を漢字表記してるんですが・・・どっちがいいかな。
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