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伊達いつ前提で。すごい短いですヨ。
そんな悲しいこと、言わないでよ。
そんな悲しいこと、言わないでよ。
きょとん。としたその表情に、喉まで出かかった言葉を飲み込む。
「だって、そうだべ?」
その通り、このコの言ってることは確かなことで、間違ってもいない。だけど・・・
「独眼竜なら、何とかしてくれるって、きっと」
力づけて・・いるのだろうか、自分は。この、少女を。
「だべな」
「そうそう、なんたって・・・」
「お殿様。だかんな。だども、だから、ダメだって、政宗も判ってるだよ、きっと」
また、言葉に詰まる。確かにそれは言えるかもしれない。だけど、でも・・・
「だって。とか、だけど、でも・・・なんかオレ、子供みたいだねぇ」
苦笑する。こんな、自分よりもずっと小さな女の子が判っていることを、自分は、納得出来なくて。
「おらが農民なのは間違いなくて、生まれた時からどうしようもないことで、政宗がお殿様なのも、やっぱりどうしようもないことなんだべ。だから、仕方ねぇ」
寂しそうに笑う少女は慶次よりもずっとずっと小さくて。このコを護りたいと思った独眼竜と、独眼竜を護りたいと思っているこのコと、同じ方向を向いている思いが、彼等を引き離すことになるだなんて、納得出来なくて。
でも、それが当り前。
農民の娘を娶ったと、独眼竜が軽んじられるのを嫌い。
農民の娘が何故傍にいられるのかと、このコが周りから蔑視されるのを嫌う。
「幸せな、恋だった?」
ずっと、信条としてきた。好きな人がいれば、それが力になる。それは本当だと思っていたし、今でもそう思っている。だけど・・・
「お別れするのは寂しいけんど、政宗のおかげでおら、お侍を、人を、自分を信じることが出来るようになっただ。なぁ、慶次兄ちゃん」
「何だい?」
「おら、恋して幸せだ。そりゃあ、寂しくなるかもしれねぇ。でも、ここんトコに、ずっと、政宗が好きってあったけぇ気持ちがあって、だから、おら、寂しくても大丈夫って思えるだ」
目の端に涙を浮かべて。それでもはっきりと嬉しそうに、少女は笑う。
人の想いは、なんて思い通りにならないんだろう。
「寂しくなったら、オレに言いな。どっからだって、飛んで来てやるよ」
そう言って、小さな頭を撫でることしか、彼には出来なかった。
慶次は色々なこと含めて、それでも恋はいい。と、言ってるとは思うのですが、やっぱり、納得したくない部分もあるんじゃないかなぁ。とか。
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