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それはそれで、寂しい。
「また貴様か」
心底癒そうに眉を寄せる表情を見て、へらりと笑う。この男のこういうところが、かすがは苦手だ。
「いいじゃない。別に戦場って訳でもあるまいし」
「敵状視察の間者だろうが」
違うよ。と、足元を指さす。確かにそこは、明確なしるしはないけれど、上杉の領土には入っていない。
やっぱり、こういうところが嫌いだ。
「小太郎、そっちに行ったでショ」
俺様、お話したいな〜なんて。と、軽口を言うその顔はいつもと同じ、へらりと笑って・・・でも本当に笑ってはいない。
「貴様とは関係ないだろう」
「それは、かすがチャンが決めることじゃないよね」
ああ、頭が痛い。この男は、いつだって自分の神経を逆撫でする。
ふと、気配に顔を上げれば、小太郎が傍まで来ていた。
「・・・いいのか?」
こくりと頷く小太郎を少し心配そうに見て、それから佐助と見比べて、ひとつ大きく息を吐き出して、そうか。とだけ言った。
「かすがチャンって、小太郎には甘いよね」
「今はまだ、敵ではないからな」
「じゃあ停戦状態の俺様に厳しいのは?」
にこりと笑って、ああ、またあの顔だ。
「嫌いだからに決まってるだろう!」
吐き捨てるようにそう言うと、しなやかな肢体は宙に舞い、風にかき消えるようにして姿を見失う。
「・・・・・・」
何事か言おうとして、小太郎が口を開き、諦めたように閉じる。彼はいつもそう。言葉を飲み込んでしまう。
「いいのいいの。俺様承知で言ってんだから」
嫌いと言ってもらえるだけまだいい。だって、彼女は自分を認識してる。
「でも、ちょっと妬けちゃうね」
茶化すように軽い口調で。再び小太郎は、言葉と思いを飲み込んだ。
優しくされるだけより、邪険にされてる彼がうらやましい時があるなんて、言ったところで何になろう。
かすがは小太郎には優しいといいな。というところから。
「嫌い」と強く意識されて、彼女の感情を揺らすことの出来る佐助と、傍にいることを許される小太郎。
えいえんのともだち。なんて、苦しいだけでしかないこともある。
心底癒そうに眉を寄せる表情を見て、へらりと笑う。この男のこういうところが、かすがは苦手だ。
「いいじゃない。別に戦場って訳でもあるまいし」
「敵状視察の間者だろうが」
違うよ。と、足元を指さす。確かにそこは、明確なしるしはないけれど、上杉の領土には入っていない。
やっぱり、こういうところが嫌いだ。
「小太郎、そっちに行ったでショ」
俺様、お話したいな〜なんて。と、軽口を言うその顔はいつもと同じ、へらりと笑って・・・でも本当に笑ってはいない。
「貴様とは関係ないだろう」
「それは、かすがチャンが決めることじゃないよね」
ああ、頭が痛い。この男は、いつだって自分の神経を逆撫でする。
ふと、気配に顔を上げれば、小太郎が傍まで来ていた。
「・・・いいのか?」
こくりと頷く小太郎を少し心配そうに見て、それから佐助と見比べて、ひとつ大きく息を吐き出して、そうか。とだけ言った。
「かすがチャンって、小太郎には甘いよね」
「今はまだ、敵ではないからな」
「じゃあ停戦状態の俺様に厳しいのは?」
にこりと笑って、ああ、またあの顔だ。
「嫌いだからに決まってるだろう!」
吐き捨てるようにそう言うと、しなやかな肢体は宙に舞い、風にかき消えるようにして姿を見失う。
「・・・・・・」
何事か言おうとして、小太郎が口を開き、諦めたように閉じる。彼はいつもそう。言葉を飲み込んでしまう。
「いいのいいの。俺様承知で言ってんだから」
嫌いと言ってもらえるだけまだいい。だって、彼女は自分を認識してる。
「でも、ちょっと妬けちゃうね」
茶化すように軽い口調で。再び小太郎は、言葉と思いを飲み込んだ。
優しくされるだけより、邪険にされてる彼がうらやましい時があるなんて、言ったところで何になろう。
かすがは小太郎には優しいといいな。というところから。
「嫌い」と強く意識されて、彼女の感情を揺らすことの出来る佐助と、傍にいることを許される小太郎。
えいえんのともだち。なんて、苦しいだけでしかないこともある。
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