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徒然と小咄など。現在BASARA2メイン。 かなりネタバレや捏造もございます。御注意! あくまでも個人のファンサイトです。 企業様とは関係ありません。
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 バトルヒーローズのいつきちゃんストーリー絡みで(ネタバレ・・・になるのかな?)

 かなり妄想ですヨ(苦笑)



「Hey! なぁにやってんだ」
 ふらりとやって来た蒼いお侍・・・伊達政宗に声をかけられて、いつきは担いでいた槌を下ろす。
「何だ、まぁた一揆でも起こすつもりか?」
 からかい口調の侍はちょっとばかしいつもより上機嫌で、一人でいるところを見ると、どうやらこっそり抜け出して来たらしい。そうでなければ、お目付役とも言える竜の右目と呼ばれる小十郎や、もしくはそれに代わる家臣の一人でも連れていていい筈だ。
「またお城抜け出して来ただか」
「お前さんがそう言うってことは、まだこっちに連絡は来てねぇってことだよな」
 ふふん。と、鼻で笑う殿様にやや呆れ、そして苦笑する。
「抜け出すなんてしねぇでもええだろうに。なして毎回毎回、叱られるのが判ってやるんだべ」
「バッカお前、何事にもthrillがあった方が面白ェだろうが」
 冬の厳しいこの地では、この時期に戦をすることは少ない。どうにもなまってしょうがない。と、政宗は遠駆けと称してたまに顔を出す。今はいつきも判っている。こうして政宗が一人で来る時というのは、城の中でじっとしてるのに耐えられなくなった時なのだ。
 最初はお付きに小十郎や成実達を連れて来たりもしていたのだが、最近では、こっそり一人で遠出して、見つからないように戻る、gameだとうそぶいている。多分それは半分嘘で半分本当だろう。
 領主がいなくなったら大事なのは、政宗だって判っている筈だ。しかし、もともと何かをしていないと落ち着かない性分なのだろう。城の中に居たら居たで、台所に顔を出したりしていたらしい。それがあまりにも頻繁なものだから、台所の者や女中連中が落ち着かないと、小十郎から自粛するよう言われたのだと言う。そこで政宗曰くgameという名目の追いかけっこが始まった。
 つまりは、政宗が城をこっそり抜け出る。小十郎ら家臣がそれに気付き、未然に防ぐ時もあれば、まんまと外に出られてしまうこともある。しかしそつのない小十郎のこと。最近は、政宗の立ち寄りそうな処は全て網羅されていて、gameの難易度も上がっていた。だからこそ、こうしてまんまと出し抜けたことが嬉しいのだろう。
 子供みてぇなお殿様だなぁ。と、呆れたように言えば、にやりと唇の端を持ち上げて、見方によっては凶悪ともとれるような皮肉めいた笑みを浮かべた。
「で、お前さんはどこ行くつもりだったんだ?」
 そんな物騒なものを持って。と、指さされた槌は、いつきだけがふるうことの出来る武器だ。いつきの身の丈ほどもある大きな槌。片手に三本。二対、六本の刀の操る政宗でさえ、持ち上げることは出来ても、振り回すことなど出来ないそれは、いつきにかかれば軽々と、それこそ羽でも生えているのではないかと思われるほど、鮮やかなまでの動きを見せてくれる。
「おら、修行の旅に出るだ。お侍さん、ちいとばかし留守にするけど、村の皆のことよろしくな」
「おいおい、もうお前達は戦わなくていいって言っただろう。修行なんてナンセンスだぜ」
「いんや。これは女の意地だべ!おら、立派な大人の女になるべく、自分を磨きに行くんだべ」
 なんだなんだと、政宗は尋常ではないいつきの様子に、彼女が本気だと感じ取ってくれたらしい。ここまできたら流れというやつだ。いつきは先ほど、政宗が来る前にあった、森蘭丸との経緯を簡単に説明した。
「Ah〜・・・成る程、あのクソ生意気なガキを見返してやりてぇんだな」
 で、アテはあるのか?と聞かれて、いつきは大きく首を縦に振る。これまで出会った者達に、目星はつけてあるのだ。その中の何人か、政宗の知っている者の名を挙げる。
「だがなぁ。お前さん一人でとなると、厄介な連中ばかりだぜ」
「止めねぇでけろ。おら、負けられねぇ!」
「All right.お前さんの意気込みは判った。仕方ねェ」
 小十郎!と、慣れた様子で声高に声を上げれば、いつの間にいたのか、小十郎と数人の家臣が、政宗の後ろにザッと一斉に控えた。
「俺の家臣を貸してやる。必ずあのガキに一泡吹かせてやれ」
「政宗様、またそんな安請け合いをなさって・・・」
「女の名誉がかかってんだ。なぁ?」
「んだ!女の意地、見せてやるべ!」
 盛り上がっている政宗といつきに、小十郎はやれやれと肩を竦める。しかし小十郎とて、事情を知ったからには、いつき一人を行かせるなんて危険なことは勿論させない。
「小十郎・・・は流石に無理だが、誰か一人付けてやる。成実なんてどうだ?」
 さらりと重臣の名を挙げる。え、オレ?なんてのんきな声を上げて、政宗の背後に控えて居た家臣の中から、成実が一歩前に出た。
「だども、成実さは小十郎さと一緒に、お城を支えてるんだべ?」
「オレは別に構わないけどね」
 政宗に面立ちの似た青年は、そう言って笑う。
「しかし、さすがに政宗様に使者や伝達はさせられません」
 これから色々行事があるんですから。と、釘を刺され、政宗はそうか。と、頷いた。
「じゃあ鬼庭でも連れて行くか?」
「いいんだべか?」
「こいつがいいって言や、いいだろ」
 これまた重臣。しかも伊達軍でも一、二を争う戦の名手の名を挙げて、政宗は笑った。その後ろで小十郎も、さして問題ない。という顔をしている。成実の隣に立っていた青年が、クスリと小さく微笑んだ。
「私は構いませんよ。こんな少女一人ではさすがに危ないでしょう。織田の小僧なら叩き潰し甲斐もありますし、力になりますよ」
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうだ」
「おうよ!ぎゃふんと言わせてやれ」
「いいか、負けるんじゃねぇぞ」
 結局主従揃って血の気が多いのだ。政宗と小十郎、そして伊達軍の重臣達に激励され、いつきは北の地を後にすることになったのだった。






 いつきちゃんストーリーで、味方が今回は親衛隊じゃなくて、陣羽織だったのを見て妄想してみたり(笑)伊達の家臣達から可愛がられてたらいいな〜という妄想でした。

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