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徒然と小咄など。現在BASARA2メイン。 かなりネタバレや捏造もございます。御注意! あくまでも個人のファンサイトです。 企業様とは関係ありません。
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神様なんていやしねぇ



「神様はいると思うカ?」
 少しだけ目を見張って、遠くを見る空色の瞳の先に視線を向ける。勿論そこには何もない。
「なんだそりゃ」
 おかしな具合だ。隣にいるのが近藤でもなく、沖田でもなく、ましてや、あの憎たらしい万事屋でもない。黙ってりゃあそれなりに可愛いんだろうが、口を開けば沖田に負けず劣らずの口の悪さを持つ少女は、気付けば隣にいる。それは、そう以前からのことではないけれど。
「本当に神様がいたら、マミーは助かったかもしれないし、パピーだって、ずっと一緒にいてくれたかもしれないネ」
「・・・そうだな」
「バカ兄貴だって、もうちょっとマシな人間だったかもしれないし、毎日玉子かけご飯食べられるくらいにはお金持ちだったかもしれないネ」
 さて、この少女は何を言いたいのだろう。下手に口は出さない。こういう時のこの娘は、ただ言いたいだけなのだ。どうせ何を言ったところで、舌打ちか悪口が返って来るのが関の山なら、今は黙っているのが賢い。それでもつい口をついでしまったのは、どこか共感してしまった部分があったのだろう。不覚にも。
「人は、いずれ死ぬぞ」
 そう言いながら、ちらりと脳裏に浮かんだあの人の姿を打ち消す。そうだ。そんなこと言ったって詮無いこと。どうしようもない。戻らない人。
「でも、神様がいるなら、せめて悲しかったりしないようにしてくれたら良かったのに」
 どんなに丈夫だって、腕っぷしが強くたって、痛いものは痛いネ。と、ちょっとだけおどけたように口の端を上げて、胸を指して見せる姿に、深く煙草の煙を吸い込んで、大きく吐き出す。
「ガキがいっちょまえに生意気言ってんな」
 桃色の頭に手を置いて、一応、いつ反撃されても逃げられるように心構えだけして、ぐりぐりと撫でる。近藤さんが、幼かった頃の沖田によくやっていたように。
 頭は掴めるんじゃないかってくらい小さくて、桃色の髪の毛は細くて、柔らかい。
「銀ちゃんも言ってた。悲しくなかったら嘘だって。大好きだから悲しいんだって」
 多分、それが一番判り易い。忌々しいことに。万事屋のくせに。
「銀ちゃんは多分、いっぱい神様に祈ったネ。でもきっと、悲しいこといっぱいあった。・・・と、思う。あんまそう見えないけど」
「神さんだって、忙しいだろ」
 今や地上だけじゃなく、宇宙からもたくさんの天人なんてもんが入って来て、溢れ返ってるんだからな。と言えば、それもそうね。と、子供らしい顔して笑った。

「新八は、出会えたのが神様のおかげだって思うよって言ってたネ」
 すっかり元気になって、何故か隣を歩いている少女の影が、夕日に照らされて長く長く伸びる。
「俺はそんな神様はいらねェ」
 ゴタゴタばかり起こす周りの人々を思い浮かべ、苦々し気にそう吐き捨てた。





 なんとなく夕焼けの中に並ぶ土方と神楽の絵が頭に浮かんだのでイキオイで。
 ウチの場合は、神楽がなんとなく土方を気に入ってて、ちょこちょことついて来てるような感じのが多いと今更気付きました。土方はそれで気がつけばほだされればいいと思います。

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