若虎来襲

　嵐のような訪問者（未完）

　騒がしい武田の侍が遊びに来たのは昨夜のこと。臆面もなく城門前で、伊達殿〜遊びに来たでござる〜なんて、大声で叫んでるのを聞いた時には、さすがに気が遠くなるかと思った。大体、遊びにってのは何だ。せめてもうちょっと、それらしい言い方があるだろうに。
　GO AWAY！と言いたくなるのを堪えたのはひとえに、あの大声でこれ以上何か喚かれたら、また何を始めたのかと、近隣から思われるからにほかならない。大体、何の連絡も寄越さず(あんな便利な子飼いの忍がいるくせに)しかも夜中にやって来るってのはどういう了見だと言えば、急いで来たら夜になって、宿を取るよりは真っ直ぐ来た方が早いと思った。と、のたまう。宿を取って、仕度を整えて、翌朝に正式に訪問をするのが礼儀だろうが、この甲斐のバ・・・もとい若虎は、そこまで気が回らないらしい。ちゃんと教えとけ、保護者。と、付き添いの忍に言えば、保護者は武田のおっさんだと責任転嫁。そうしてるうちにも今度は盛大に腹の虫の音が響き、申し訳なさそうにするものの、腹の虫は催促しているとしか思えないタイミングで合唱する。結局台所に顔を出し、残りものの握り飯を貰い、慌てて準備させた部屋で休ませた頃には夜もとっぷり更けていた。
　そうして他人の家でぐっすり眠った若虎は、朝も早くから勝手に庭に出て、空手のまま、槍を振るう型の練習をしているようだった。大体、人の城の中を許可も得ずに歩き回るのはどうなんだ。あまりのマイペースっぷりに頭を抱えたくなる。

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イキオイのみの文ですが・・・続きはまた後日にでも・・・