×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
あつくるしい
ちりんちりんちりん。けたたましい音に眉をしかめる。ただでさえ暑いのに、神経に障ることこの上ない。どこの阿呆だ。と、怒鳴ってやりたいところだが、今はそんな気力もなく、そのうち遠くへ行くだろうと思えば、どうやら音は近づいて来る。
「よぉ!大将、夏負けしてんだって?」
「去ね」
どかどかという足音と、遠慮がちに困ります。だの、お帰りください。だのと言う家臣の声。誰が来たのかなんて明白で、今はその声すら聞きたくないと、相手が何か言う前にかぶせるように言い放つ。
・・・が、勿論そんなことが通じる相手であろうはずもなく。
「そんな細っこい体して、好き嫌いしてるからそうなるんだぜ」
「誰か、刀を持て」
「おいおいおい!つれねぇなぁ」
今まで一度だって歓迎したことなどないではないか、この鳥頭が。いつもだったらそれくらいスラスラと言ってやるのだが、それすら面倒だ。
「五月蝿い。喧しい。目も耳も腐る。その騒音とともにさっさと去ね」
おそらく、それでも充分すぎる。と、彼の家臣は思っているに違いないが、本人としては、調子が出ない。としか言い様がない。
「ひでぇなぁ。お前さんが夏負けしてるってんで、涼を届けてやったのに」
「喧しいわ長曾我部元親」
むしろ彼が入って来たことで、部屋の中は一気に暑さを増した。
「独眼竜から送られて来たんだよ。これ聴いて夏負けなんか吹き飛ばしちまえ」
腰に差した脇差しに手をかけると、二人のやりとりを真っ青になって見ていた家臣達が色めき立つ。しかし元親はそんなことは気にしない。とばかりに、脇差しごと、その先に結び付けた小さな鐘型のものを元就の前に突き出した。
「あっちの鉄は、いい音すんだぜ」
ちりん。
ひとつ鳴ったその音は、さきほど五月蝿いと感じたものと同じとは思えないほどに澄んで、透き通っている。
「貴様にかかると風流も形無しだな」
どかどかと歩く彼の腰に差してあったため、あんなやかましく聴こえたのだろう。しかし、時折部屋の中に吹き込む風に煽られて鳴る音は、不快ではなく、確かに涼を感じさせた。
「ふむ。独眼竜は、風流が何かくらいは判っておるようだな」
「な〜。風流だよな〜」
うんうん。と、大きくうなずく元親を見上げ、貴様に語られるなど風流が泣くわ。阿呆が。と、ぴしゃりと言い放ち、元親が何か言い返そうとする前に、ひょいとその鐘型の風鈴を取り上げる。
「見舞いなら、今回だけは有り難くいただこう。さて、用事も済んだのであれば、さっさとここから立ち去るがいい」
ちょっと待て、誰もやるなんて言ってねぇだろうが!と、怒鳴る声を軽く受け流し、元就はさっさと部屋を出る。
さて、これはどこに飾ろうか。と、元親と家臣達の声を遠くに聞きながら、手にした風鈴をちりん。とひとつ鳴らした。
毎日暑いですね。ということで、暑気あたり元就など・・・
しかしこれ、言い方悪いけどやらずぼったくりだよね、元就(苦笑)
ちょっと風鈴のことを調べたら、やはりびいどろは江戸以降になるっぽいので、ここはやはり、東北南部鉄の南部風鈴ということで、筆頭から。
元親の船にいっぱいつけたら、きっとちりんちりん煩いくらいなんだろうな。とか。
しかし拙宅の学バサ元就なら、夏バテなんてならないんだろうな。と、書いていてふと思ったりしました。いや、普段から節度ある生活してそうだし、戦国の元就もそうそう縁はないかな???
一番それっぽいのはやはり半兵衛ですかね。前田家は一番縁遠いに違いない(笑)
「よぉ!大将、夏負けしてんだって?」
「去ね」
どかどかという足音と、遠慮がちに困ります。だの、お帰りください。だのと言う家臣の声。誰が来たのかなんて明白で、今はその声すら聞きたくないと、相手が何か言う前にかぶせるように言い放つ。
・・・が、勿論そんなことが通じる相手であろうはずもなく。
「そんな細っこい体して、好き嫌いしてるからそうなるんだぜ」
「誰か、刀を持て」
「おいおいおい!つれねぇなぁ」
今まで一度だって歓迎したことなどないではないか、この鳥頭が。いつもだったらそれくらいスラスラと言ってやるのだが、それすら面倒だ。
「五月蝿い。喧しい。目も耳も腐る。その騒音とともにさっさと去ね」
おそらく、それでも充分すぎる。と、彼の家臣は思っているに違いないが、本人としては、調子が出ない。としか言い様がない。
「ひでぇなぁ。お前さんが夏負けしてるってんで、涼を届けてやったのに」
「喧しいわ長曾我部元親」
むしろ彼が入って来たことで、部屋の中は一気に暑さを増した。
「独眼竜から送られて来たんだよ。これ聴いて夏負けなんか吹き飛ばしちまえ」
腰に差した脇差しに手をかけると、二人のやりとりを真っ青になって見ていた家臣達が色めき立つ。しかし元親はそんなことは気にしない。とばかりに、脇差しごと、その先に結び付けた小さな鐘型のものを元就の前に突き出した。
「あっちの鉄は、いい音すんだぜ」
ちりん。
ひとつ鳴ったその音は、さきほど五月蝿いと感じたものと同じとは思えないほどに澄んで、透き通っている。
「貴様にかかると風流も形無しだな」
どかどかと歩く彼の腰に差してあったため、あんなやかましく聴こえたのだろう。しかし、時折部屋の中に吹き込む風に煽られて鳴る音は、不快ではなく、確かに涼を感じさせた。
「ふむ。独眼竜は、風流が何かくらいは判っておるようだな」
「な〜。風流だよな〜」
うんうん。と、大きくうなずく元親を見上げ、貴様に語られるなど風流が泣くわ。阿呆が。と、ぴしゃりと言い放ち、元親が何か言い返そうとする前に、ひょいとその鐘型の風鈴を取り上げる。
「見舞いなら、今回だけは有り難くいただこう。さて、用事も済んだのであれば、さっさとここから立ち去るがいい」
ちょっと待て、誰もやるなんて言ってねぇだろうが!と、怒鳴る声を軽く受け流し、元就はさっさと部屋を出る。
さて、これはどこに飾ろうか。と、元親と家臣達の声を遠くに聞きながら、手にした風鈴をちりん。とひとつ鳴らした。
毎日暑いですね。ということで、暑気あたり元就など・・・
しかしこれ、言い方悪いけどやらずぼったくりだよね、元就(苦笑)
ちょっと風鈴のことを調べたら、やはりびいどろは江戸以降になるっぽいので、ここはやはり、東北南部鉄の南部風鈴ということで、筆頭から。
元親の船にいっぱいつけたら、きっとちりんちりん煩いくらいなんだろうな。とか。
しかし拙宅の学バサ元就なら、夏バテなんてならないんだろうな。と、書いていてふと思ったりしました。いや、普段から節度ある生活してそうだし、戦国の元就もそうそう縁はないかな???
一番それっぽいのはやはり半兵衛ですかね。前田家は一番縁遠いに違いない(笑)
PR
天野宇宙にコメントする