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2008.7.9〜響茜証言開始〜
ということで、当日ではありますが、思い切って参加させていただきます!とはいえ急なことなので、絵ではなく、いつものように小咄で・・・
右側に、こちらのサイトさんへのリンクもはらせていただきました〜
ということで、当日ではありますが、思い切って参加させていただきます!とはいえ急なことなので、絵ではなく、いつものように小咄で・・・
右側に、こちらのサイトさんへのリンクもはらせていただきました〜
『刑事クン。御機嫌ナナメ?』
電話の向こうから聴こえてくる声に、むっとする。
「事件があって、機嫌がいいなんて不謹慎じゃないですか」
あはは。それもそうだよね〜。変なこと聞いてごめんね?あ、来る途中、水買って来てくれると嬉しいなぁ。なんて、電話の向こう側で、相変わらずじゃらじゃらとしたアクセサリーの音をさせながら、かの検事はのたまう。
「判りました。ただし、苦情は一切受け付けません」
一方的に切って、見えて来たコンビニへと足を進める。いくつも並んだミネラルウォーターの中から、適当に一本取って、自分の昼食のサンドウィッチとお茶の入った小さなカゴに放り込む。事件担当の刑事が検事よりも後に現場に入るのは・・・しかも自分の昼食を途中で買ってなんて、どうかと思われるかもしれないが、あっちが先に買い物を頼んだんだから、もののついでというヤツだ。
「大体、丁度手前だったからいいけど、通り過ぎた後だったりしたらどうすんのよ」
もともと今日は休みだったので、少し足を伸ばして出先で連絡を受けたため、現場入りが遅れてしまった。服装だって、いつもよりちょっとカジュアルな感じだし、白衣もない。ウチや署に戻るより、真直ぐ現場に向かった方が早いと思って、寄って来なかった。
特に誰かと約束してたわけじゃないし、出先でのんびりお昼でも食べようかな。くらいの気持ちでいたから、最低限の荷物しか持っていない。勿論、その昼御飯も食べ損ねてしまった。
「遅くなって申し訳ありません」
生憎休暇で手帳は持っていなかったが、現場入り口を塞ぐ警官は顔見知りだったから、軽く手を上げて挨拶をすると、すぐに通してくれる。現場に入ると、頭ひとつ分背の高い、見慣れたシルエットがすぐに目に入った。
「宝月茜、到着しました。それで、現場の様子は・・・」
傍に来た刑事に声をかけて、何をすべきか指示を仰ごうとしたら、検事が気付いてこちらを振り向く。
内心、げ。と思ったが、声だけは出さず、そのまま話を進めようと思ったのだが、詳しくは検事に指示を仰いでくれ、と、話を振られてしまった。
「・・・遅れて申し訳ありません」
「ごめんね。刑事クン、お休みだったのに」
「仕事ですから」
にこにこと近づいて来る検事は、素っ気ない素振りに気を悪くした様子もない。
「現場周辺の聞き込みなんかは、他の人がやってくれてるから」
「それで、私は何をすればよろしいでしょう」
「・・・なんか刑事クン、いつも以上によそよそしくない?」
「気のせいですよ」
多分これは、八つ当たりだ。子供みたいで嫌だけど、こう、この検事に対しては、すぐにこういう態度になってしまう。
「そうだ。検事、これ」
「ありがとう。助かった」
へろっと笑った顔がなんだかいつもより力がなくて、おや?と思う。
「珍しいですね」
「へ?あ、うん。ちょっと・・・昨日ハメ外しちゃって」
「・・・検事も呼び出されたクチでしたか」
そーなんだよ。休みだからのんびり出来ると思ったら朝から電話でさぁ。もっともそれは別件だったんだけど、なんかなし崩し的にこっちの事件が起きたってんで引っ張られて来ちゃって。参っちゃうよね〜。なんて、見た目とは裏腹に、相変わらず隠すことなく愚痴を言う。
「悪いとは思ったんだけど、刑事クンが来るっていうから。あ、お金は後でいい?」
なんというか・・・気障ったらしいというか、ハナにつくというか、そんな感じかと思っていたのだ。最初に出会った時は。今だって、まぁ、むっとすることも少なくはないけれど、こうしている時、たまに、彼が自分よりも年下だと感じる。
「その調子じゃ、朝からあんまり食べてないでしょう」
「まぁ、朝はそんな気分じゃなかったし、ここ来るまではそれどころじゃなかったからね」
なんというか、こういうところは自分達と変わらないんだと思うと、さっきまでの不機嫌な気分も少しだけ、和らいだ。
多分あれだ。弟みたい。というのだろうか。
「で、あたしは何をすればいいんでしょう?」
話が横道に逸れてしまったことに気付いたのか、検事は苦笑する。
「じゃあ刑事クンには、ぼくと一緒に被害者の足取りなんかを調べるのを手伝ってもらえるかな」
どうにもこの検事と二人でというのは苦手なのだが、仕事だから仕方ない。それに、さすがに1年も付き合ってれば、少しは慣れてくるというものだ。
「判りました。それと、良かったら少しお分けしましょうか?」
コンビニの袋に入ったサンドウィッチを指差せば、助かるよ。と、検事は笑った。いつものスタースマイルとは違う、少しだけ情けないような、少年のような微笑みだった。
特にラブとかでもないなぁと思いつつ(苦笑)
電話の向こうから聴こえてくる声に、むっとする。
「事件があって、機嫌がいいなんて不謹慎じゃないですか」
あはは。それもそうだよね〜。変なこと聞いてごめんね?あ、来る途中、水買って来てくれると嬉しいなぁ。なんて、電話の向こう側で、相変わらずじゃらじゃらとしたアクセサリーの音をさせながら、かの検事はのたまう。
「判りました。ただし、苦情は一切受け付けません」
一方的に切って、見えて来たコンビニへと足を進める。いくつも並んだミネラルウォーターの中から、適当に一本取って、自分の昼食のサンドウィッチとお茶の入った小さなカゴに放り込む。事件担当の刑事が検事よりも後に現場に入るのは・・・しかも自分の昼食を途中で買ってなんて、どうかと思われるかもしれないが、あっちが先に買い物を頼んだんだから、もののついでというヤツだ。
「大体、丁度手前だったからいいけど、通り過ぎた後だったりしたらどうすんのよ」
もともと今日は休みだったので、少し足を伸ばして出先で連絡を受けたため、現場入りが遅れてしまった。服装だって、いつもよりちょっとカジュアルな感じだし、白衣もない。ウチや署に戻るより、真直ぐ現場に向かった方が早いと思って、寄って来なかった。
特に誰かと約束してたわけじゃないし、出先でのんびりお昼でも食べようかな。くらいの気持ちでいたから、最低限の荷物しか持っていない。勿論、その昼御飯も食べ損ねてしまった。
「遅くなって申し訳ありません」
生憎休暇で手帳は持っていなかったが、現場入り口を塞ぐ警官は顔見知りだったから、軽く手を上げて挨拶をすると、すぐに通してくれる。現場に入ると、頭ひとつ分背の高い、見慣れたシルエットがすぐに目に入った。
「宝月茜、到着しました。それで、現場の様子は・・・」
傍に来た刑事に声をかけて、何をすべきか指示を仰ごうとしたら、検事が気付いてこちらを振り向く。
内心、げ。と思ったが、声だけは出さず、そのまま話を進めようと思ったのだが、詳しくは検事に指示を仰いでくれ、と、話を振られてしまった。
「・・・遅れて申し訳ありません」
「ごめんね。刑事クン、お休みだったのに」
「仕事ですから」
にこにこと近づいて来る検事は、素っ気ない素振りに気を悪くした様子もない。
「現場周辺の聞き込みなんかは、他の人がやってくれてるから」
「それで、私は何をすればよろしいでしょう」
「・・・なんか刑事クン、いつも以上によそよそしくない?」
「気のせいですよ」
多分これは、八つ当たりだ。子供みたいで嫌だけど、こう、この検事に対しては、すぐにこういう態度になってしまう。
「そうだ。検事、これ」
「ありがとう。助かった」
へろっと笑った顔がなんだかいつもより力がなくて、おや?と思う。
「珍しいですね」
「へ?あ、うん。ちょっと・・・昨日ハメ外しちゃって」
「・・・検事も呼び出されたクチでしたか」
そーなんだよ。休みだからのんびり出来ると思ったら朝から電話でさぁ。もっともそれは別件だったんだけど、なんかなし崩し的にこっちの事件が起きたってんで引っ張られて来ちゃって。参っちゃうよね〜。なんて、見た目とは裏腹に、相変わらず隠すことなく愚痴を言う。
「悪いとは思ったんだけど、刑事クンが来るっていうから。あ、お金は後でいい?」
なんというか・・・気障ったらしいというか、ハナにつくというか、そんな感じかと思っていたのだ。最初に出会った時は。今だって、まぁ、むっとすることも少なくはないけれど、こうしている時、たまに、彼が自分よりも年下だと感じる。
「その調子じゃ、朝からあんまり食べてないでしょう」
「まぁ、朝はそんな気分じゃなかったし、ここ来るまではそれどころじゃなかったからね」
なんというか、こういうところは自分達と変わらないんだと思うと、さっきまでの不機嫌な気分も少しだけ、和らいだ。
多分あれだ。弟みたい。というのだろうか。
「で、あたしは何をすればいいんでしょう?」
話が横道に逸れてしまったことに気付いたのか、検事は苦笑する。
「じゃあ刑事クンには、ぼくと一緒に被害者の足取りなんかを調べるのを手伝ってもらえるかな」
どうにもこの検事と二人でというのは苦手なのだが、仕事だから仕方ない。それに、さすがに1年も付き合ってれば、少しは慣れてくるというものだ。
「判りました。それと、良かったら少しお分けしましょうか?」
コンビニの袋に入ったサンドウィッチを指差せば、助かるよ。と、検事は笑った。いつものスタースマイルとは違う、少しだけ情けないような、少年のような微笑みだった。
特にラブとかでもないなぁと思いつつ(苦笑)
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