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徒然と小咄など。現在BASARA2メイン。 かなりネタバレや捏造もございます。御注意! あくまでも個人のファンサイトです。 企業様とは関係ありません。
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トモシさんとの小咄絵チャログ。

伊達いつで

「Hey Girl!なぁにやってんだ?」

 ぴちょん。ぽちょん。ぱちん。

 大きな緑色の葉が雨を受けて鮮やかに浮き上がる。
 まるで噂に聞いた、ここよりももっと北の、海の向こうの地に伝わる小さな伝説の生き物のように、少女はどこで見つけたのか、大きな葉を傘の代わりにして、一人佇んでいた。

 さあさあと降る雫は政宗の傘に当たってぱらぱらと音を立てる。ぱらぱらぱらぱら。一定の感覚で奏でられる音。
「音が・・・」
「Ah?」
 音が、するだ。そう言って、いつきはじっと耳を澄ませる。同じようにしてみれば、規則正しい音に混じって、ぴちょん、ぽろん。ぱたりぱたり。と、規則性のない音がするのが聴こえた。

 大きな緑の傘に跳ねる雫の音。それが伝って落ちる音。形の一定でないそれはしかし、自然の中に息づくモノ独特の形でもって、きれいに雫を受け止めて落とす。
 たった一人、この雨の下で、こんな風変わりな傘をさして、ただ落ちゆく雨の音に耳を傾けて・・・
「・・・何がそんなに楽しいんだ?」
 ふと見下ろせば、嬉しそうに微笑むその顔。その瞳に宿る光。嗚呼、これが慈愛というものだろうか。なんて、そんなことをふと思った。
「雨が降って、お日さんが照って。だからおらたち、生きてゆける」
 土も、水も、風も、光も、全ては神様からの贈り物。それを受けて、彼等は生きる。
 決して楽なことばかりじゃなくて、けれどこの少女達は、それでもしっかりと両足で大地を踏みしめて生きている。
「お前等は、時々すげぇな」
「?」
 訳が判らない。といったふうないつきの頭におもむろに手を伸ばし、ぐりぐりと乱暴に撫でる。結わいた髪が乱れ、怒ったような声がするが、政宗はそれをやめなかった。
「お前は、それでいい」
 こんなふうに、ちょっと風変わりな傘をさして、気分が重くなるようなこの曇り空と雨を素直に恵みだと喜べる少女。それは彼自身にとって、とても判り易い証。

「いいんだよ。それで。その妙ちきりんな傘差して、そんでもって、笑ってろ」
 きっと意味なんて通じていない。言葉にしていないのだから当たり前だ。けれどいつきはその言葉に、素直に笑った。

 ぽとん。ぽつん。ぱちぱち。

 大きな緑色の葉の上で、笑うように雫が弾ける。





 

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